アメリカ人歌手のポスト・マローンさんが、アメリカ人ラッパーのスウェイ・リーさんと2018年にリリースした曲です。アニメ映画「スパイダーマン:スパイダーバース」の主題歌で、日本で言うアニソンに分類されていますが、アメリカレコード協会史上初のダブルプラチナ(2000万枚相当の売上)を認定された大ヒット曲です。
2人のパートによってサビの解釈が変わっている気がしたので、いつも通り個人的な解釈で訳して行きます。
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【Swae Lee パート】
Needless to say, I keep her in check
She was a bad–bad, nevertheless
Callin’ it quits now, baby, I’m a wreck
Crash at my place, baby, you’re a wreck
(「keep 〇〇 in check」は「〇〇を管理する」
という意味なので、この場合は
「彼女の言動を管理する/落ち着かせる」と
いう意味の「抑える」だと解釈しています。
「wreck」は「大破」の意味で
「駄目になった人」というスラングもあるので
「ボロボロだ」と訳しました。
「Crash at my place」の「crash」は
「泊まる」という意味で親しい間柄で使います。)
Needless to say, I’m keeping her in check
(「I keep」を「I’m keeping」にすることで
現在進行形で自分がやると言い切った
固い決意を感じます。)
Thinkin’ in a bad way, losin’ your grip
Screamin’ at my face, baby, don’t trip
Someone took a big L, don’t know how that felt
Lookin’ at you sideways, party on tilt
(「losin’ your grip」は「loosen your grip」
の略で「grip」は「握りの部分」、
「my grip」だと「自分を操縦するハンドル」
の意味で「判断力」を意味します。
「don’t trip」の「trip」は
「抑制できない感情」を意味し「落ち着け」
または「気にするな」の意味になります。
「big L」は頭文字がLの「Lose/負け」の意味です。
よくドラマなどで頭に手で「L」を作り
「Loser/負け犬」のジェスチャーをする事もあります。
「party」は「理性を失う」、
「tilt」はポーカーなどの時に判断ミスで
負けることを意味するスラングです。
冷静で合理的な判断が出来ないという意味なので
「無茶苦茶」と訳しました。)
Some things you just can’t refuse
She wanna ride me like a cruise
And I’m not tryna lose
(「tryna」は「trying to」、
「しようとしている」の略です。
男として彼女を抱くことは、
それが彼女からの誘いなら尚更
「どうしても拒めないこと」だけど、
彼女の為を思って耐えている様子が伺えます。)
Then you’re left in the dust
Unless I stuck by ya
You’re the sunflower
I think your love would be too much
Or you’ll be left in the dust
(もしも彼女に手を出してしまえば
事後の彼女は虚無感に苛まれる。
一種の依存症や鬱を
彼女が患っているのかな、と思いました。
そういう方は自己肯定感が低いことが多いので
「君はヒマワリだよ」と明るい大輪に例え
繊細過ぎることを「愛があり過ぎるんだ」と
精一杯褒めてあげてるのだと思いました。
そんな中にも「Unless I stuck by ya」と
事後に自分が動けていたら
抱き締めるなり何なりできるけど、
「俺」だけが良い気持ちになって
呆けているかもね、と
冗談めいたフレーズを入れているのかな
と、勝手に解釈しました。)
【Post Malone パート】
Every time I’m leavin’ on you
You don’t make it easy, no
Wish I could be there for you
Give me a reason it, oh
(スウェイ・リーのパートと違って
このパートの彼女は独占欲が強く、
「俺」は仕事中毒なのかな、と思いました。
「Give me a reason it」に
「その場を離れる(恐らく仕事)より大事な理由」に
不安を抱えている彼女が該当しない事が
この解釈になった理由の一つです。)
Every time I’m walkin’ out
I can hear you tellin’ me to turn around
Fightin’ for my trust and you won’t back down
Even if we gotta risk it all right now, oh
(「俺の信頼」は「社会的な信頼」、
「今の関係」は「社会との関係」と
「彼女との関係」と解釈しました。)
I know you’re scared of the unknown
You don’t wanna be alone
I know I always come and go
But it’s out of my control
(彼女にとっての「未知のもの」は
「彼の仕事」かな、と思います。
「行ったり来たりしてる」とあるので
彼女の元へ行ってもまたすぐ
別の所、仕事へ出かけてしまうのかな、と。
でも「仕事」だから最後の
「俺にはどうにも出来ない」に
繋がるのではと解釈しました。)
Then you’re left in the dust
Unless I stuck by ya
You’re the sunflower
I think your love would be too much
Or you’ll be left in the dust
(以上のことを踏まえるとマローンパートのサビは
リーパートとは意味が違ってきます。
「塵の中」は慌ただしく彼が出て行った後、
「stuck」も「暇でそこに居る」という意味で
「棒立ち」という意味に変わってきます。
そして「君はヒマワリだよ」も
開花するタイミングで太陽の方角を向く、
つまり彼のことをずっと見つめている
執着心の意味かな、と思いました。
なので「愛があり過ぎる」も「重すぎる」の意味になり、
それを認めて抑えてくれなきゃ、また「君はすぐに塵の中」、
「俺は仕事を選ぶぜ」という風に解釈しました。)
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よくネイティブな方に歌詞の意味を尋ねると、「本当の意味は書いた本人しか分からない」と言われます。勿論このページで紹介した訳も個人的な解釈なので誤解なさいませんように。
とにかくメロディーも歌声も素晴らしい曲です。
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