1979年にアメリカのバンド・ブロンディがリリースした曲です。アメリカやイギリスを始め世界中で大ヒットし、日本でも色んな歌手がカバーしました。後にロックの殿堂入りを果たしたブロンディを代表する曲の1つです。
ディスコサウンドを取り入れた曲調は、当時パンク・ロックバンドのイメージが強かったブロンディとしては異色でしたが、それが功を奏しました。その後もロックの中に違った曲調を混ぜる最先端の手法でヒットを連発させます。
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Once I had a love and it was a gas
Soon turned out had a heart of glass
Seemed like the real thing, only to find
Mucho mistrust, love’s gone behind
(「gas」は「~を楽しむ」を意味するスラングです。
主にイギリスやヒップホップの歌詞で使われます。
「turn out」で「~と分かる」や
「~と判明する」の意味です。
「only to find」は「~をしたが~になった」や
「~の行動はあいにく~の結果になった」の意味です。
「Mucho」はスペイン語で男性が使う「とても」や
「沢山の」の意味だそうです。
「love’s」の「’s」は「~の」ではなく「~は」の
「love is」の簡略化だと思われます。
通常、簡略化する時は名詞が続く場合ですが、
その方が歌詞が理解しやすいのでそう訳しました。)
Once I had a love and it was drive
Soon found out I was losing my mind
It seemed like the real thing, but I was so blind
Mucho mistrust, love’s gone behind
(「drive」は「運転」の他にも名詞として
「原動力」や「意欲」の意味があります。
「found out」は「見つけた」や「気付いた」の意味。
「losing my mind」は「正気を失う」や
「頭がおかしくなる」の意味です。)
In between
What I find is pleasing and I’m feeling fine
Love is so confusing there’s no peace of mind
If I fear I’m losing you. It’s just no good
You teasing like you do
(「In between」は「2つのものの中間」
を指すので、この場合は
「楽しめた恋」と「夢中になる恋」の
ことだと解釈しています。
「You teasing like you do」は直訳すると
「あなたはそうやってからかう」です。
「teasing」は「悩ませる」や「いじめる」の
意味もあり、「like you do」には
文脈によっては日常的な意味合いをから
「いつもするように」と訳すこともあるので
「あなたはいつもそうやって悩ませる」としました。)
Lost inside
Adorable illusion and I cannot hide
I’m the one you’re using, please don’t push me aside
We could made it cruising, yeah
(「Adorable」は「惚れ惚れする」の他にも
「愛らしい」などの意味があります。
「push me aside」は「脇へ押しやる」や
「無視する」の意味です。
「cruising」はそのまま「船旅」の意味ですが
「go cruising」で「ナンパする」という意味の
スラングになります。
前にある「made it」は「達成する」や
「成功させる」の意味があるので
「船旅を達成する」を「恋の旅を達成する」
と解釈しても良いのですが、
更にその前に「you’re using/あなたが利用している」
とあるので、「彼女を利用してナンパを成功する」
の方が歌詞の内容にはしっくりくる気がしたので
後者の訳にしました。)
Yeah, riding high on love’s true bluish light
(「riding high」は「上手くいく」や「好調」の意味。
「true bluish light/真実の青みがかった光」は
欧米の花嫁が青い物を身に付ける「サムシングブルー」、
つまり結婚を意味しているのかなと解釈しています。)
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日本でもよく使われる「脆く傷つきやすい心」を意味する「ガラスのハート」は、この曲から浸透したのでは、という説もあります。
先日ドラムを担当されていたクレム・バークさんの訃報を知り、ふと思い出のこの曲が蘇りました。ボーカルのデボラ・ハリーさんの格好良い美しさが大好きでよく聴いたバンドでした。ご冥福をお祈りすると共に、素晴らしい楽曲を有難うございました。
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