アメリカの歌手・プリンスが1984年に発表した曲です。同名タイトルの自伝的映画で主題歌のような役割を果たし、アカデミー賞とグラミー賞のそれぞれで賞を獲得しています。言わずもがな、アメリカのポップス史上に名を残す名曲です。
「Purple rain」には「紫の雨」以外に意味はありません。英語で特別な意味を持つとも、個人的には聞いた事がありません。プリンスの感性が誕生させた、彼を象徴するような言葉です。
アメリカのバンド「Ventura Highway/ベンチュラ・ハイウェイ」が1972年に発表した同名曲の歌詞から着想を得たのでは…という説もありますが、プリンス本人がタイトルについて以下のように言及しています。※個人で訳しているので間違いがあると思います
「青い空に赤い血が流れる、つまり赤と青は紫だよね。「紫の雨」は世界の終わりと愛する人と共にいることに関係していて、それぞれの信仰/神によって「紫の雨の中」に導かれることに表しているんだ」
今回は映画の曲ということもあるので、上記のことを踏まえて劇中の内容に沿った訳し方をしていきます。
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I never meant to cause you any sorrow
I never meant to cause you any pain
I only wanted one time to see you laughing
I only wanted to see you laughing in the purple rain
(このパートは、亡くなった父親への詞かなと思います。
プリンスの言葉を借りると「in the purple rain」は
「父が救いと信じる環境で笑っていて欲しかった」と
歌っているのかなと解釈しています。)
Purple rain, purple rain
(もちろん直訳は「紫の雨」です。
プリンスの言葉を借りて訳しました。
「世界の終わりを意味する赤い雨が降っても
愛する人と同じ空の下に居られるなら幸せだ」
それがプリンスの「信仰」なのかなと解釈しています。)
I never wanted to be your weekend lover
I only wanted to be some kind of friend, hey
Baby, I could never steal you from another
It’s such a shame our friendship had to end
(このパートは映画のヒロイン、異性の友人に
向けているのかなと思います。
「some kind of」は「このような」を意味し
具体的な物を指す「like this」と違って
「このような種類の」を意味します。
「such a shame」は「とても残念だ」の意味で
「shame」は「恥」の意味ですが「a」がつくと
「残念」の意味になります。)
I only wanted to see you underneath the purple rain
(「友だち以上、恋人未満」の尊い関係性の人と
一緒に過ごすことがプリンスにとっての「救い」だったが
相手にとっては違った、ということだと解釈しています。)
Honey, I know, I know, I know times are changin’
It’s time we all reach out for something new, that means you too
You say you want a leader, but you can’t seem to make up your mind
And I think you better close it and let me guide you to the purple rain
(最後はバンドメンバーへの歌詞だと思っています。
「make up your mind」は「決心する」の意味です。)
If you know what I’m singin’ about up here, come on, raise your hand
(「raise your hand」は「手をあげて」の意味ですが
「put your hand~」は盛り上げる時の「手を上げて」で
「raise your hand」は意志を示す為に「手を挙げて」です。)
I only want to see you, only want to see you in the purple rain
(曲を通してプリンスは「人それぞれの幸せ」を認めつつ
「それが一致する人と巡り合う難しさ」を
歌っているのかなと解釈しました。
どの時代でも共感できる内容を、
プリンスらしい芸術性で表現していると思います。)
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2000年代だったと思いますが、夜中にテレビを観ていると偶然この映画が放送されました。「これがあの有名なパープル・レインか」と思いながら視聴しましたが、この映画、7億円ほどの製作費で75億円越えの大ヒットを飛ばしたことを後に知りました。さらに、プリンスさん自身、曲作りに関しては速筆だったそうで、未発表曲を含めると生涯で1000曲以上を書かれているそうです。さらにさらに、今曲はアメリカのバンドJourney/ジャーニーの「Faithfully」に似ているとプリンスさん自身が気付き、曲を書いたジョナサン・ケインさんに自ら連絡し確認してもらい「似てないよ」をお墨付きをもらったそうです。プリンスさんの死後、ジョナサンさんがこの事実を公表し「実に誠実な人だった」と称賛したとか。
本当に幾つもの才能で人々を愛し、愛された人なんだなと思いました。
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