ロシアの女性デュオ・タトゥーが2003年にリリースした曲です。日本映画の主題歌にもなり、ヨーロッパ圏でもそこそこヒットした曲です。
日本では音楽番組のドタキャン騒動と、それ以降の無礼な態度でせっかくの日本人気を台無しにした嫌な印象が強いですが、予め言っておきますと彼女たちに非はありません。
騒動が起こったのは今曲発売後の同年でしたが、後に薬物やアルコールの問題が発覚し解雇される当時のプロデューサーであったイワン・シャポワロフ氏の、今で言う「炎上商法」を狙った指示による誤った行動だったと彼女たちは批判と謝罪をしています。当時10代だった二人はどの番組もどの舞台も全力で取り組みたい気持ちがあったものの、プロデュースの一環と言われ従わざるを得なかったそうです。イワン氏は騒動後、すぐに日本の国民性を見誤ったと察し「彼女たちは歌いたがっているので、条件が合えばギャラ無しで出演します」と声明を出しましたが、謝罪もない他人事のような発言は火に油を注ぐ結果となりますた。
元々同氏は「『同性愛の女子高生』という男の妄想」をt.A.T.uで具現化したと語っていた通り、日本でも大ヒットした「All the Things She Said」はそういう内容の曲でした。今曲にもそのコンセプトは感じられますが、今となっては「10代だった少女たち」から「栄光を台無しにした大人たち」への曲にも聞こえるな、と思いながら聴いています。
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Not gonna get us
They’s not gonna get us
Starting from here, let’s make a promise
You and me, let’s just be honest
We’re gonna run, nothing can stop us
Even the night, that falls all around us
(「starting from here / ここから始まる」は
続く「let’s make a promise/約束をしようよ」
を修飾するための言葉なので、歌詞が繋がるように
「ここから始めるに前に」と訳しました。
このように先頭に「動詞+~ing/~ed」を
用いる方法を「分詞構文」と言いますが
会話ではまず使われません。
書籍などフォーマルな文章に使われます。)
Soon there will be laughter and voices
Beyond the clouds, over the mountains
We’ll run away, on roads that are empty
Lights from the airfield, shining upon you
(「veices」は「voice」の複数形なので
ただの「声」ではなく、人々が絶えず
「話している声」の意味になります。
また、自然の音を人の声に例えて
「ざわめき」と訳されることもあります。
「upon」は「on」よりフォーマルな言い方です。)
Nothing can stop this
Not now I love you
(「Nothing can stop this」の「this」は
「Nothing can stop/止められない」対象を
指していますが、訳されないことの方が多いです。
今回は分かりやすく「この状況」と訳しました。
今歌詞の場合は「逃げている状況」のことです。
「Not now/今はダメ」は「後でなら良いよ」の
ニュアンスがあります。)
We’ll run away, keep everything simple
Night will come down, our guardian angel
We rush ahead, the crossroads are empty
Our spirits rise, they’re not gonna get us
(「Our spirits rise」は日本語で言う
「テンション上がって来た」の感じです。
なので、曲の最初の方では「夜」のことを
「自分たちを取り巻く敵」のように
表現していましたが、
ここでは怖い物なしの印象が出るように
「our guardian angel/私たちを護る天使」の
訳に「と共に」を加えることで
「夜を味方にした」感じを出しました。)
My love for you, always forever
Just you and me, all else is nothing
Not going back, not going back there
They don’t understand, they don’t understand us
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ちなみにイワン氏は、日本の前にイギリスでもt.A.T.uの公演をドタキャンさせています。いつの時代にも他者を困らせ話題を集めることが有効と判断する人が居ますが、巻き込まれた方はたまったもんじゃないですね。
イワン氏は今曲も含め曲制作にも携わられています。また素晴らしい曲を生み出していただきたいです。
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