1999年に発売されたTLCを代表する一曲です。元々はラップパートがありませんでしたが、メンバーのレフト・アイの提案でラップパートが追加されました。
個人的にはこのラップパートがあるからこそ好きな楽曲です↓
攻撃的な歌詞は当時、一部の男性から批判を受けたそうです。私も最初は「なんてこと言うんだ…」と思っていましたが(笑)、最後まで聞くと励ましているようにも感じました。
とにかくスラングが多くて訳し甲斐のある歌詞です。
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A scrub is a guy that thinks he’s fly
And is also known as a busta
Always talkin’ about what he wants
And just sits on his broke ass
(この楽曲から流行した「Scrub」というスラングは
通常の「ゴシゴシ洗う」という意味から転じて
「みすぼらしい人」を指すようになり「ダサい人」となりました。
この曲では歌詞の通り「自惚れ屋」のニュアンスです。
「fly」はヒップホップでよく「イケてる」という意味で
使われるスラングです。
「busta」は「クソガキ」や「一緒にいたくない人」
などに訳されるスラングですが、
上記の意味を汲んで「自惚れ+子供っぽい」と解釈し
「不愉快な気取り屋」としました。
「broke-ass」は「金欠」を意味する「broke」と
「クソ野郎」を意味する「ass」で「貧乏人」を意味します。
他にも「使えない奴」や「負け犬」など
かなり酷い意味もあるので、絶対人には使わないでください!)
So no, I don’t want your number
No, I don’t want to give you mine and
No, I don’t want to meet you nowhere
No, I don’t want none of your time and
(ここで言う「mine / 私のもの」とは
自分の電話番号のことです。
とにかくスクラブへの強い嫌悪感が伺える歌詞です。)
No, I don’t want no scrub
A scrub is a guy that can’t get no love from me
Hangin’ out the passenger side
Of his best friend’s ride
Trying to holla at me
I don’t want no scrub
(以前ネイティブな方に「『don’t want』で否定しているのに
さらに『no』は必要ないんじゃない?
強く否定しているってこと?二重否定?」と聞いたら
「そんなの知らないよ。そういうものだよ」って言われました。笑
アフリカ系アメリカ人の方がよく使う言い回しだそうです。
「hangin’ out / hanging out」は
「ぶらぶらする」、「寝て過ごす」の他にも
「たむろする」などの意味があるので
「くっついて」と訳しました。
「holla」は、こちらもアフリカ系アメリカ人の方々が
よく使うスラングで「声をかける」の意味です。
会話では「Holla back!」と言われたら
「連絡してね!」という意味です。)
Well a scrub checkin’ me
But his game is kinda weak
And I know that he cannot approach me
‘Cause I’m looking like class, and he’s looking like trash
Can’t get wit’ a deadbeat ass
(徹底的に打ちのめしてくる歌詞です。笑
「checking’ / checking」は「確認中」という意味ですが
「(恋愛の)品定めをしている」というスラングです。
同じように「game is weak」と言えば「game」は恋愛のことで
「weak」=「弱い」つまり「魅力がない」という意味です。
「class」はマナーや服装なども「素晴らしい」を
意味するスラングで、
元々イギリスでよく使われていたそうです。
「deadbeat-ass」の「deadbeat」は「怠け者」や
「役立たず」、「一文無し」を意味します。
絶対人には使わないでください!)
If you don’t have a car and you’re walking
Oh yes son, I’m talking to you
If you live at home with your momma
If you have a shorty that you don’t show love
Wanna get me with no money
Oh no, I don’t want no
No scrub
(「son」は「息子」という意味ですが、
子どもっぽい人に話しかけるニュアンスです。
「shorty」は「背が低い」という意味から
「可愛い人」、「恋人」を意味するスラングです。)
【以下ラップパート】
See? If you can not spatially expand my horizons,
Then that leaves you in the class with scrubs,
Never risin’, I don’t find it surprisin’,
And if you don’t have the G’s to please me
And bounce from here to the coast of overseas
(「spatially expand」は「空間的に広げる」という意味で
「my horizons」は「私の水平線」ですが、
合わせて「私の視野を広げる」という意味です。
「私に広い世界を見せて」というニュアンスです。
「G’s」の「G」は、よくヒップホップの世界で
尊敬に値する人のことを指し、若者の間では
愛情表現としても使われますが、
この場合は「1000ドル」を意味する「Grand」
の解釈で「お金」と訳しました。
「bounce me here to the coast of overseas♪」を
直訳すると「ここから離れて海外の海岸へ」となるので
「海外旅行」と訳しました。)
So, let me give you something to think about
Inundate your mind with intentions to turn you out
Can’t forget to focus on the picture in front of me
You as clear as DVD on digital TV screens
(ここは非常に訳すのが難しかったですが、
曲中で唯一の励ましパートとも受け取れるので好きです。笑
「picture in front of me」は「目の前の絵」ですが
「絵くらい素晴らしい現実」のニュアンスです。
それに「Can’t forget to focus」、「集中する事を忘れる」
くらいに「魅力的な人になって」という意味を込めた
「You as clear as DVD on digital TV screens♪」
なのかな、と思い「鮮明なあなた」と訳しました。
「clear」は「輝いた」とも訳せます。)
Satisfy my appetite with something spectacular
Check your vernacular, and then I’ll get back to ya
With diamond–like precision, insatiable is what I envision
Can’t detect acquisition on your friend’s expedition
(「vernacular」は「出身地の言語」のことなので
「本来の自分を確認したら」、
「I’ll get back to ya♪」は「連絡するから」という感じで
「あなたらしさが気付けたら恋愛対象になる」
と解釈しています。
続く「Can’t detect」は「発見できない」ですが
「獲得」を意味する「acquisition」に繋がるので
「成果を得る」とし、最後の「expedition」は
「遠征」ですが「経験値」と訳しました。)
Mr. Big Willie, if ya really wannna know,
Ask Chilli, could I be a silly hoe?
Not really
T–boz and my senoritas are steppin’ on your FILAs but you don’t hear my though
(「Mr. Big Willie」は人名ではなく「大きなチン〇さん」
という感じなので、よく股間を膨らませているイメージで
「女好きさん」と訳しました。
チリとTボズはメンバーの名前で、
このラップはレフトアイが担当しています。
「hoe」は「売春婦」を意味する「whore」のことで
「ビッチ」という意味のスラングです。
「ho」と書かれることもあります。
「FILA」はスポーツメーカーです。
靴を踏みつけられても聞く耳をもたない
どうしようも無い男のイメージです。)
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ずっと「稼げない男は価値なし」と言っているような酷い曲だと思っていましたが、レフトアイのラップパートがあることで、「他人に依存する怠け者や人の心を弄ぶ男が嫌い」と歌っているんだと、良いように解釈できました。
何より曲調が好きです!
スラングが多い分、説明が長くなってしまいましたが「こういう感じの曲か」程度にでも受け入れていただけると有難いです。
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