スウェーデンのシンガーソングライターであるトーヴ・ローさんが2015年にリリースした楽曲です。業界内では高い評価を受けましたが、商業的にはそれほど成功しなかったそうです。失恋ソングですが、MVは多様な恋人が描かれていて見応えがあります。
歌詞の中に特筆する点が多くて訳しながら色々と考えました。曲の雰囲気だけでも伝わりますように。
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You made your way in as I was leavin’
You cut in line just as I was getting my stuff
And I couldn’t decide if you were the most annoying human being ever met
Or just the best thing that ever happened
Just the best thing that ever happened
(「cut in line」は「割り込む」という意味です。
曲中「the best thing that ever happened」
「これまでに起こった中でも最高の出来事」とは
何なのか…が、最後まで模索されます。)
You took the key out of the ignition
I could hear the rain on the windows
Right then and there I made up my mind to just go with it
Thinkin’, “What’s the worst thing that could happen
When the worst thing that could happen could be the best thing ever?”
(「ignition」は「点火」などの意味ですが、
この場合は車などで鍵を差し込んで
エンジンを起動させる装置の事です。
最新の車はボタン式なので
ピンとこない方も居られるかもしれません。
古いタイプのエンジン音はうるさいです。
それを止めて外の雨音が聞こえた…、
これは「彼の勢いに飲まれていたけど
冷静になったら辛い状況に気付いた」
という暗喩だと解釈しています。
「What’s the worst that could happen」は
ドラマや映画などでもよく聞く関係名詞です。
「どんな悪いことが起こると言うの?」という意味で
「何が起こるって言うの?」と使われます。
物ではなくその場の状況に使われます。
個人的に曲中では、自分が最悪だと思っていた別れの状況が
実は最高の選択だった場合、考えられる最悪の状況は
この関係を続けることでは?…と解釈をしています。)
We’re not forever, you’re not the one
You and I could be the best thing ever
(2人の出会いが最高の出来事だったと
信じたい彼女の心境が伺えます。
なんかDVパートナーから離れられない
被害者みたいで切ないです。)
We’re not “happily ever after”, we don’t got what it takes
And we don’t make plans ‘cause we’re never gonna last
We’re not forever, you’re not the one
You and I, we’re a time–
(「happily ever after」は「いつまでも幸せに」
という意味ですが、おとぎ話の最後によく使われる言葉で
日本語で言う「いつまでも幸せに暮らしました」や
「めでたしめでたし」に当たります。
最後の「- / ハイフン」は複合語を表す時に
言葉を繋げるために使いますが
文章を書く時に単語が入り切らない場合も
「次の行に続く」という意味で使われます。)
Bomb, bomb, bomb, bomb
You and I, we’re a timebomb
(一緒にいてもいつか「最悪の出来事」を招く、
という意味での「時限爆弾」と解釈しています。)
I shut the door and I don’t look back
When something this good comes along
You’re better off letting the first time be the last time
But really, what’s the worst thing that could happen
When the worst thing that could happen could be the best thing ever?
(「あなたは最初で最後にしといた方がいいよ」は
「~と思っておいた方がいいよ」という感じだと思っています。
彼に良い出来事が起こっても、最悪中の最高かもしれないから
最悪の出来事が待っているかもよ、というニュアンスです。
ではその「最悪の出来事」は何だろう。
それも一緒に乗り越えたら、いつか笑い話になって
「最高の出来事」になるのかな、と言っている気がします。)
We could be the best thing ever
(そう考えると、笑い話になるくらい長く一緒に居られたら
「私たちは最高になれたかもね」
という未練を残した終わり方だと解釈しています。)
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色んな曲を聴いていると、「メロディーに入らなかったから、この単語は抜いたのかな?」と思うことが時々あります。邦楽でもよくありますが、洋楽はニュアンスが掴み切れない以上、個人的な想像で補っている事、ご了承ください。
いっそ時限爆弾のように関係が粉々になってしまった方が良かったのかな、と考えさせられる曲でした。
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