アメリカのDJデュオ・チェーンスモーカーズが2016年にホールジーをフィーチャリングして発表した曲です。アメリカ・ビルボードHOT100で、両者にとって初の1位に輝き12週も首位を維持し続ける大ヒット曲となりました。
また、歌詞動画は異例のヒットを記録し、30億回以上の再生数となりました。
Spotifyでは20億回以上再生されており、現在でもショート動画などで人気の一曲です。
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<タガートパート>
Hey, I was doing just fine before I met you
I drink too much and that’s an issue, but I’m okay
Hey, you tall your friends it was nice to meet them
But I hope I never see them again
(「doing just fine」は良くも悪くもない状況を指し
「特に問題ない」や「まあまあだ」などの意味になります。)
I know it breaks your heart
Moved to the city in a broke–down car, and
Four years, no call
Now you’re looking pretty in a hotel bar
And I, I, I, I, I can’t stop
No, I, I, I, I, I can’t stop
(「broke-down」は「故障した」や
「壊れた」などの意味。
「no call」は「連絡なし」の意味ですが
「無断欠席」や「無断欠勤」の意味でもあります。
「And I」は、文頭にありますが
前の歌詞の続きと解釈した場合、
前の文を強調する「本当に」の意味になります。)
So, baby, pull me closer
In the back seat of your Rover
That I know you can’t afford
Bite that tattoo on your shoulder
Pull the sheets right off the corner
Of that mattress that you stole
From your roommate back in Boulder
We ain’t ever getting older
(「pull me closer」は
「私をもっと近くに引き寄せて」の意味。
「Rover/ローバー」は車の社名であり車種でもあります。
元々はイギリスに「ローバー社」という
自動車メーカーがありましたが、
経営難から商標を売り渡す形で消滅。
そこから「ランド・ローバー」が派生し
高級四駆「レンジ・ローバー」へと引き継がれました。
この「レンジ・ローバー」を通称「ローバー」と呼びます。
「afford」は「余裕がある」の意味で
時間や心だけでなく金銭についてもなので
転じて「買える」の意味でもあります。
「right off」は「すぐに」や「直ちに」の意味で
自然な日本語になるよう「勢いよく」と訳しました。
「Boulder/ボルダー」は教育都市として知られる
アメリカのコロラド州にある都市の名前。)
<ホールジーパート>
You look as good as the day I met you
I forget just why I left you, I was insane
Stay and play that Blink–182 song
That we beat to death in Tucson, okay
(「as good as」は「同じくらい良い」の意味。
「I left you」は「私はあなたを捨てた」や
「私はあなたから去った」などの意味。
「insane」は「正気じゃない」や「非常識」などの意味。
この時点で、あれ?どっちが振ったんだ?
と、疑問が生まれました。
「Blink-182/ブリンク・ワンエイティートゥー」は
アメリカのバンド。
「beat to death」は「撲殺」の意味ですが
「死ぬほど殴る」の意味から転じて
「飽きるほど繰り返す」の比喩として使われます。
「Tucson/ツーソン」はアメリカの都市。)
I know it breaks your heart
Moved to the city in a broke–down car, and
Four years, no call
Now I’m looking pretty in a hotel bar
And I, I, I, I, I can’t stop
No, I, I, I, I, I can’t stop
(タガートの男性パートとほぼ同じ歌詞です。
という事は、女性側も男性と
全く同じことをしたことが分かります。
つまり、一緒に壊れた車で都会へ引っ越してきて
その後は4年間も連絡をしないまま
それぞれが別々で暮らしていたと解釈できます。
だからお互いがお互いを振ったと勘違いしているのです。
歌詞を見る限り、自然消滅です。)
So, baby, pull me closer
In the back seat of your Rover
That I know you can’t afford
Bite that tattoo on your shoulder
Pull the sheets right off the corner
Of that mattress that you stole
From your roommate back in Boulder
We ain’t ever getting older
(男性パートと全く同じ歌詞です。
以下、物凄く勝手な解釈をします。
互いに「買えない車」は誰の物なのか。
どちらも相手の物と思い込んでいることから
酔っぱらった勢いで盗んだのでしょう。
肩のタトゥーが互いに入っているのは、
恋人がよくお揃いで入れる
2つで1つになるタトゥーが想像できます。
そして、恐らく場所を移動した先のマットレス。
車にもマットレスは置けますが、
どちらかの家に移動したと考える方が自然です。
そのシーツも互いに「相手が盗んだ」と思い込んで
いる事から元々手癖が悪い二人と想像できます。
ボルダーのような教育都市から帰ってきた人のことが
気に食わなかったのでしょう。
そうなると、彼が冒頭で彼女の友人たちとは
「会うことが無いよう願う」と言ったのも
自分とは合わないと感じ取ったからだと解釈できます。
また、彼女も彼と別れたことを「正気じゃなかった」
と言って後悔していることから、
やっぱり彼と居る方が合うと感じているのでしょう。
となると、最後の「We ain’t ever getting older
/私たちは決して年を取らない」は
「情熱が若い頃のまま」など綺麗な意味ではなく
若い頃と何も変わらない、
少しも反省していない様子が伺えます。)
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曲調の「エモさ」が若年層の心を捕えた曲ですが、歌詞から感じ取れる「浅はかさ」もウケたのかなと思います。「貧困と情熱」はいつの時代も若者の主題なのかもしれません。面白い曲です。
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