2001年にアメリカのロックバンド・エアロスミスが発売した曲です。ボーカルのスティーヴン・タイラ―が、プロデューサーのマーティ・フレデリクセンと共に、娘で女優のリヴ・タイラ―に向けて書いた曲です。
MVでは後に映画「ブラック・スワン」で高い評価を得る、女優のミラ・クニスが出演しています。当時、その美しさも話題になりました。
複雑な家庭環境で娘さんの幼少期を見過ごしてしまったことから曲にすることを閃いたというスティーヴンですが、当時はそのことをメンバーに話すのを躊躇ったそうです。
歌詞からも娘への躊躇いが感じられますが、その分だけ愛情を持っていることも感じられます。
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Hey, j–j–jaded
You got your mama’s style, but you’re yesterday’s child to me
So jaded
You think that’s where it’s at, but is that where it’s supposed to be?
You’re getting’ it all over me
Ex–rated
(「jaded」は「幻滅」や「うんざり」の意味。
この場合「~屋さん」のように
「jaded」自体を名詞として解釈できますが
「うんざり屋さん」のような日本語がないので
そのまま「うんざり」と訳しました。
「You got your mama’s style」は
「君はママのスタイルを受け継いでる」という
意味なので「ママに似てきた」と訳しました。
「supposed」は「想定」や「所謂」の意味で、
「supposed to be」で「~とされている」
「~しなければならない」などの意味になります。
「You’re gettin’ it」は「理解している」や
「把握している」の意味で「all over me」は
「私の体のあちこち」や「私のいたるところ」
の意味になるので「俺という人間を
いたるところまで理解している」
というニュアンスだと解釈しています。
「Ex」は「元」は「以前の」の意味。
「rated」は「評価された」の意味。
それらを「-/ハイフン」で繋げ
一つの意味を持たせているので
「以前は評価されていた」となるので
転じて「今では評価されている」から
「立場逆転」と訳しました。)
My, my baby blue
Yeah, I’ve been thinkin’ ‘bout you
My, my baby blue
Yeah, you’re so jaded
And I’m the one that jaded you
(「I’ve been/I have been」は
「ずっと~してきた」の意味です。)
Hey, j–j–jaded
In all its misery, it will always be what I love
And hated
And maybe take a ride to the other side we’re thinkin’ of
We’ll slip into the velvet glove
And be jaded
(「In all its misery」は「悲惨な状態」を
意味するので「惨めなものだ」と訳しました。
このパートでは「ベルベットの手袋をはめ」た
結果「うんざりする」とあるので、
皮手袋をはめるようなロッカーが
上品なベルベット手袋をはめるような
「一貫性のなさ」を「惨め」と
言っているのかなと思いました。
その不安定さこそがロックで
「好き」でもあり「嫌い」でもあると。
ただそれが「ロッカー」でもあり
「父」でもあることで娘さんを
「うんざり」させたのかな、と思いました。)
Yeah, I’m so jaded
And baby, I’m afraid of you
(「afraid of you」は「君が怖い」
の他にも「君が心配」や「君が気掛かり」
の意味にもなります。)
You thinking’s so complicated
I’ve had it all up to here
But it’s so overrated
Love and hate it
Wouldn’t trade it
Love me jaded, yeah
(「overrated」は「過大評価」や
「思ったよりも優れている」の意味です。
今歌詞の場合は、うんざりするほど
想える娘の存在を「思うより良いこと」
と歌っているのだと思います。)
Hey, j–j–jaded
There ain’t no “Baby, please” when I’m shootin’ the breeze with her
When everything you see is a blur
And ecstasy’s what you prefer
(「her」は娘以外の女性だと思われます。
「Baby, please」は愛娘にも言う言葉なので
「女を口説く時にもそう言うんでしょ!」
とでも、娘から怒られたのかなと思いました。笑
「prefer」は「~の方を好む」の意味です。
状況が理解できない時に、自分が興奮できる
刺激的な方を都合よく選ぼうとする、
というニュアンスだと思います。)
I am talkin’ ‘bout you
‘Cause I’m the one that jaded you
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リブさんの母親は妊娠中に別の方と結婚されたので、スティーヴンが父親だと知ったのはずっと後のことでした。子どものころはエアロスミスのファンだったというリヴさん。別MVへの出演や、「タイラー」と名乗り活動されているころからも、父娘関係の良好さが伺えます。
この曲を発表した年に、エアロスミスはロックの殿堂入りを果たしました。父親としてもロッカーとしても格好良い方ですね。
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