アメリカを代表するアーティストのスティービー・ワンダーが1999年に日本の缶コーヒーCMソングとして書き下ろした曲です。
CMソングの書き下ろしは珍しく、通常は既存の曲をタイアップする形で使われますが、この曲に関しては缶コーヒーの担当者が「不景気な日本に火をつけてください」と頼み込んで作られたとか!
その甲斐あって商品もこちらの曲も日本で大ヒットとなりました。
当時、この曲がテレビで流れているのを見た時、「Fire」を「情熱」と訳されているのを目にし「訳とはそんなに柔軟なのか」と感動を覚えた、思い入れのある曲です。
いざ英語を勉強しながら自分で訳してみると、予想外のラブソングだったことが分かりました。
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My outer self looks happy as can be
A perfect dream lover as clear as all can see
But just like that, real, has hit me suddenly
My outer is a liar
(「~ as can be」は「できる限り」の意味で
「あり得る可能性の限り」を表すので
「最高」と訳しました。
「perfect dream」は「完璧な夢」、
つまり「理想の恋人」の意味です。
「as clear as can see」は「一目瞭然」の意味で
間に「all」が入るので「誰の目にも明らか」としました。
「just like that」は「あっけなく」や「あっという間に」
など突然起こる出来事を意味します。
「hit me suddenly」は「急に気が付いた」や
「突然ピントきた」の意味です。)
Cause when I look inside my heart and I tell the truth to me
Loud and clear my soul cries out with total honesty
I need the fire, fire, fire to keep me warm
I got to feel the fire
(「cries」は「cry」の三人称単数現在形で
「cry」が「私」や「あなた」が「泣く」、
「cries」は「それ」や「彼/彼女」が「泣く」です。
「fire」はそのまま「火」と訳しました。)
My smiling face, with laughter on the side
You’d say no doubt I get passion every night
But if in our bed your arms don’t hold me tight
Means it leaves much to be desired
(「laughter on the side」は「片面の笑い」
つまり「表面上の笑い」を意味します。
「leaves much to be desired」は
「物足りない点が多い」の意味です。)
And if you look into my eyes and you told yourself the truth
You can’t make a body hot if you don’t light the fuse
(「light the fuse」は「導火線に火を点ける」の意味です。)
It don’t take a rocket scientist to know
That if you don’t fan the flame then the fire will eventually go
(「eventually」は「最終的に」や「いつかは」の意味。
「finally」も「最終的に」の意味がありますが、
「eventually」は「いつかは訪れる時」に対して
「finally」は「結果が出た時」を意味します。
この場合「go」が付くので、相手が去ることを意味しています。)
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恋人関係を保つためにはお互いに与え合うことが必要だと歌っている気がしました。自分ばかりが尽くしていることに気付いた曲に思えます。
ですがサビのパートだけを見ると、仕事や夢への「情熱」が必要だと歌っているように聞こえる曲です。まさにCMにピッタリです。
名曲はどこをとっても素晴らしいですね。
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