1995年にアメリカの歌手マイケル・ジャクソンが、妹のジャネット・ジャクソンをコラボに迎え発表した曲です。
約700万ドルという巨額の規模で作られたPVは、「史上最も費用のかかったPV」としてギネスに登録されています。また、映像内には「AKIRA」などの日本のアニメが使用されています。
当時、児童への性的虐待という最低最悪の疑惑をかけられていたマイケル。否定し続けた結果、罪には問われませんでしたが、一部からは事実であるかのように報道されました。それ以前からもマイケルのスター性を利用し、世間の注目を引く為だけの捏造記事を沢山出されていました。今曲は、それら一部報道に向けた内容です。ジャネットは家族として、兄の活動を助けるために参加したそうです。
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<マイケルパート>
I’m tired of injustice, I’m tired of the schemes
Your lies are disgusting
So, what does it mean, damn it?
Kickin’ me down, I got to get up
As jacked as it sounds
The whole system sucks, damn it
(「injustice」は「不正」や「不公平」の意味で、
「正義」や「公正さ」を意味する「justice」に
「否定」を意味する「in」をつけた名詞です。
「schemes」はビジネスでよく使われる
「よく練られた計画」や「組織」などの他に
「悪巧み」や「陰謀」の意味もあります。
「disgusting」は「反吐が出る」と訳されるほど
「非常に不愉快」などの意味です。
「damn it」は「くそ」や「ちくしょう」など
怒りや悔しさを吐き捨てる表現です。
「jacked」は「興奮した」や「怒った」、
「ノリノリ」などのスラングです。)
<ジャネットパート>
Peek in the shadow, come into the light
You tell me I’m wrong
Then you better prove you’re right
You’re sellin’ out souls but I, I care about mine
I’ve got to get stronger
And I won’t give up the fight
(「Peek」は「覗き見」の意味。
「come into light」で「暴露」や
「秘密が明るみになる」の意味ですが
共通認識の「the」がつくので
マイケルとマスコミにとっての「light/日の下」に
当たる共通の「秘密を知らない人」と考え
「世間」と訳しました。
「you」を複数形で訳しているのは
相手が「マスコミ」であることや
「souls/魂」と複数形で書かれているからです。
「And」は「そして」の意味ですが、
前の文の続きを話す時に使われ
特に訳さないことも多いです。
今歌詞では「強くならなきゃいけない」
理由の語りとして使われているので前の歌詞と
繋がるように「~ように」と訳しました。)
<マイケルパート>
With such confusion, don’t it make you wanna scream?
(make you wanna scream)
Your bash abusin’ victimize within the scheme
<ジャネットパート>
You try to cope with every lie they scrutinize
(「don’t it make you wanna ~」で
「~する気にならないか」の意味です。
「bash」は「強く殴る」や「非難」の意味、
「abusing」は「虐待する」や「悪用する」、
「victimize」は人を「騙す」や「被害者にする」
などの意味があります。)
<二人パート>
Somebody please have mercy
‘Cause I just can’t take it
Stop pressurin’ me
Just stop pressurin’ me
(「mercy」は「情け」や「慈愛」の意味。
「pressuring」は日本語で言う「プレッシャー」
のことで「圧力をかける」や「無理強い」の意味。)
<ジャネットパート>
Make me wanna scream
(You just, you just, uh)
<マイケルパート>
Tired of you tellin’ the story your way
It’s causin’ confusion
You think it’s okay, damn it
<ジャネットパート>
You keep changin’ the rules while I, I keep playin’ the game
(「telling the story」で「話を伝える」、
「your way」は「あなたのやり方」
の意味なので「語り口」と訳しました。)
I can’t take it much longer
I think I might go insane
(「insane」は「狂気的」や
「正気じゃない」の意味。
「go insane」で「気が狂う」や
「理性を失う」などの意味になります。)
(I keep screamin’ that)
You find your pleasure scandalizin’ every lie
(「find your pleasure」で「喜びを見つける」
の意味ですが自然な日本語になるように
「~で喜んでる」と訳しました。)
<二人パート>
Oh Father, please have mercy
‘Cause I just can’t take it
Stop fuckin’ with me
<ジャネットパート>
Oh my God, can’t believe what I saw as I turned on the TV
This evening, I was disgusted by all the injustice
All the injustice (all the injustice)
(「can’t believe what I saw as I turned on TV」は
直訳で「テレビをつけた時に見たものが信じられない」
となりますが、その衝撃を表す為に
「光景が目に飛び込んで来た」と訳しました。)
<二人パート>
Oh brother, please have mercy
‘Cause I just can’t take it
Just can’t take it
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曲が正式に公開される2週間前、どこからかラジオ局にリークされてしまったそうです。もちろん放送停止命令が出されましたが、ラジオ局は「マイケルほどのスターの曲を手に入れられる機会は一生に一度もない」と、まるで開き直るような態度を見せたとか。この頃からマイケルは精神を安定させる為に薬を多用し始め、それすらマスコミを過熱させたそうです。
家庭事情も複雑なマイケルですが、共に戦ってくれるジャネットの存在は大きかっただろうなと思いました。
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