1987年にアメリカの歌手マイケル・ジャクソンが発表した曲です。
言わずもがな、世界中で大ヒットしたマイケルの代表曲の一つです。作詞曲はマイケル自身が担当。名門大学への進学が決まっていた貧困層の黒人少年が、白人の私服警官に射殺された事件に感化されて書き上げたそうです。(後に少年が私服警官を強盗目的で襲ったという主張が認められ正当防衛となる。)
映画監督マーティン・スコセッシが担当したショート・フィルムは、ギャングやニューヨークを象徴している作品として高い評価を受けています。
当初、マイケルはプリンスとのデュエットを望んでいたそうです。ですが、プリンスに「僕が参加しなくてもこの曲は売れるよ」と断られたことから、ソロで発表することになったそうです。
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Ah, your butt is mine, gon’ tell you right
Just show your face in broad daylight
I’m telling’ you on who I feel
Gonna hurt your mind, don’t shoot to kill
(「butt」は「ケツ」の意味で
「your butt is mine」は直訳すると「お前のケツは俺のもの」
や「お前のケツは俺が支配した」など性的な意味合いになりますが
スラングで「お前のケツを蹴っ飛ばす」の意味になります。
「gon’」は「going to/~するつもり」の略。
「gonna」を更に省略した形です。
「broad daylight」は「白昼堂々」や「真昼間」の意味。
「I’m telling you」は直訳すると「私はあなたに言っている」ですが
「分かってるの?」や「言っておくけど」などの意味になります。)
Shamone
Lay it on me, ah, alright
(「Shamone」という英単語はありません。
「Come on」を意味するマイケルの造語だそうです。
マイケルファンの方々の間では有名なようですが、
なぜ「Shamone」というのかは諸説あるそうです。
「Lay it on me」は直訳すると「それを私の上に置く」ですが
「全部話すよ」「全部話して」の意味になります。)
Ah, I’m givin’ you on count to three
Just show your stuff or let it be
I’m tellin’ you, just watch your mouth
I know your game, what you’re about
(「show your stuff」は「腕の見せ所」や
「自分の実力を見せつける」の意味になります。
「let it be」は「成り行き任せ」や「放っておく」などの意味。
「watch your mouth」は「言葉遣いには気を付けろ」や
「口を慎め」などの意味。
「your game」は「あなたのやり口」や
「あなたの策略」などの意味にもなります。)
Well, they say the sky’s the limit
And to me that’s really true
But, my friend, you have seen nothin’
Just wait ‘till I get through
(「the sky’s the limit」は直訳すると「空の限界」となりますが
空には限界が無いことから転じて「限界はない」
「可能性は無限大」などの意味になります。
「I get through」は「私が~をやり遂げる」や「乗り越える」などの意味。)
Because I’m bad, I’m bad, Shamone
You know I’m bad, I’m bad
You know it
You know I’m bad, I’m bad
Shamone, you know
And the whole world has to answer right now
Just to tell you once again
Who’s bad?
(「bad/悪い」はスラングで「ヤバい」や「凄い」も意味します。
そこから転じて「最高」や「格好良い」の意味にもなります。
「I’m bad」で「俺は不良だ」の意味でもあります。)
The word is out, you’re doin’ it wrong
Gon’ lock you up before too long
Your lyin’ eyes gon’ tell you right
So listen up, don’t make a fight
Your talk is cheap, you’re not a man
You’re throwin’ stones to hide your hands
(「The word is out」は「周知の事実」や
「その噂が広まっている」の意味。
「lock you up」は「あなたを刑務所に入れる」や「閉じ込める」の意味。
「Your talk is cheap/あなたの話は安っぽい」は
「口では何とでも言える」や「口で言うのは簡単だ」の意味。
「You’re throwin’ stones to hide your hands」は
聖書にある一節「罪のない者がまず石を投げなさい」に
由来しているという説があります。)
We can change the world tomorrow
This could be a better place
If you don’t like what I’m sayin’
Then won’t you slap my face?
(「slap」は「平手打ち」の意味。
こちらも聖書の「右頬を殴られたら左頬を差し出せ」という一節から
来ているという説がありました。ちなみに聖書の一節は
「身分の高い者が低い者を手のひらで叩くと穢れる」という考えから
手の甲で叩くことが一般的だった時代の前提があるそうです。
身分が対等な者同士のみ手のひらで叩いていたとか。
この場合、相手の利き手が右手だから右の頬を殴られたということです。
つまり、右の頬を手の甲で殴られたら
すぐに左の頬を差し出して手のひらで殴らせろ、
対等な人間であることを暴力でやり返さずに主張しろ、という意味だそうです。)
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「I’m bad」と歌う印象的なサビですが、一体どんなことを歌っているんだろうと興味がわき、ネットを簡単に使えない時代からスラングに苦戦し、何度も訳し直した思い入れのある曲です。

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