1984年に世界的なイギリスのロックバンド・クイーンが発売した曲です。クイーンの凄さの1つに、メンバーの4人全員がヒット曲を書けるという点がありますが、今曲はドラマーのロジャー・テイラーさんが手掛けました。
アメリカの歌手レディ・ガガの芸名の由来となった曲としても有名です。タイトルの「Radio Ga Ga」の「Ga Ga」は、テイラーのお子さんが赤ちゃんだった頃、ラジオを聞きながら「Radio ca ca」と言ったことに着想を得たそうです。ただ、「ca ca」はスラングで「うんち」を意味するので、フランス語で「夢中」を意味する「Ga Ga」にしたそうです。
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I’d sit alone and watch your light
My only friend through teenage nights
And everything I had to know
I heard it on my radio
(ここで言う「I’d」は「~していた」
を意味する「I had」の略ですが、
「~したい」や「~するだろう」を意味する
「I would」の略の場合もあります。)
You gave them all those old time stars
Through wars of worlds invaded by Mars
You made ‘em laugh you made ‘em cry
You made us feel like we could fly
(「them」は「彼ら」の意味ですが、
より歌詞に沿うように
「聞く人たちみんな」と訳しました。
「War of Worlds/宇宙戦争」とは
1938年にアメリカのラジオで放送された
番組「The War of the Worlds」のことです。
H・G・ウェルズの同名小説を脚色し、
俳優のオーソン・ウェルズが朗読しました。
都市伝説が作られるほど話題を集めた番組です。)
So don’t become some background noise
A backdrop for the girls and boys
Who just don’t know or just don’t care
And just complain when you’re not there
You had your time, you had the power
You’ve yet to have your finest hour
Radio
(「backdrop」は「背景」の意味で
「background」が人の経歴などを指す一方、
「backdrop」は物理的な背面を指します。
「誰もが見向きもしない、時代遅れにならないで」
という意味だと解釈しています。
「your time」はそのまま「君の時間」と
訳しましたが「君の時代」つまり
「一時代」の意味だと解釈しています。
「finest」は「最上」や「素晴らしい」の意味で
「best」と違い何かと比較した意味ではありません。)
All we hear is Radio ga ga
Radio goo goo
Radio blah blah
Radio what’s new?
Radio, someone still loves you!
(「goo goo」はおどけて「色目を使う」や
「色っぽい」を意味するスラング。
「blah」は「くだらない」の意味ですが
繰り返すと「くだらないことを連呼する」
ニュアンスになり、日本語で言う
「何とかかんとか」や「かくかくしかじか」
などの意味になります。)
We watch the shows we watch the stars
On videos for hours and hours
We hardly need to use our ears
How music changes through the years
(「hours and hours」は
「何時間も何時間も」の意味。
「hardly」は「ほとんどない」の意味。)
Let’s hope you never leave old friend
Like all good things on you we depend
So stick around cos we might miss you
When we grow tired of all this visual
(「Let’s hope」は「I hope」と異なり
大勢のみんなで「願っている」の意味。
「good things on you」はイギリスの表現で
「(良いことがあって)良かったね」の意味。
「good things on you we depend」で
「良いことはあなたのおかげ」の意味になるので
今曲における「良いこと」を
「ラジオの楽しみ」と解釈し
「君のおかげで楽しみを得られている」と訳しました。
「cos」は「because/なぜなら」の略。
「grow tired」は「飽き飽きする」などの意味です。)
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80年代はテレビの台頭で、ラジオ賛歌がしばしば発表されていたそうです。日本は地震大国とも言われているので、ラジオは非常に重要な情報源として周知されていますが、娯楽として聞いている人は少ないです。でも、個人的にはラジオが好きです。知らなかった曲と出会える良い機会なので。そして、同時刻に聞いている人がいると感じられる点も好きです。なので、こういう曲を聞くと嬉しくなります。
時代が変わっても名曲のように、それぞれの青春を彩り、一人の時間を慰めてくれた物の大切さは、永遠に変わりませんね。
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