2017年にアメリカの音楽トリオ、メジャー・レイザーが発表した曲です。
ボーカルとしてアメリカのミュージシャンのトラヴィス・スコットとカミラ・カベロ、そしてラッパーのクエヴォが参加しています。
EDMとダンスサウンドのノリがとても良く、発売されてすぐに「2017年夏の定番曲」として人気でした。曲調と同じように歌詞も盛り上がろうというスラングばかりが並んでいるのかと思いきや、意外としっかり内容で惹き込まれました。
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<トラヴィス・パート>
Wrist lookin’ like it been dipped
Dipped in that, dipped in that, dipped in that
Script lookin’ like it been flipped
Flippin’ that, flippin’ that, flippin’ that (Yeah)
(「Script」は「脚本」や「台本」などの意味。
「flip」は「ひっくり返る」や「反転」などの意味。
「Flipping/ひっくり返す」は転じて
「めちゃくちゃ」や「正気でいられない」
「キレる」などの意味があります。)
Pull up in that foreign, my God (Skrrt, skrrt)
Whole squad get in that, get in that
Please say it ain’t true, I had to go and cop two
Hell nah, we can’t fit in that
(「Pull up」は「引き上げる」の他に
「喧嘩を仕掛ける」のスラングでもあります。
「Skrrt」は車のタイヤが急回転する擬音で
「速度を上げる」や「急発進」などの意味があります。
「Whole squad」は「全隊員」の意味ですが
「squad/分隊」は「仲の良い仲間たち」を
意味するスラングでもあります。
「get in」は「乗り込む」や「入る」などの意味。
「I had to go ~」は
「~に行かなければいけなかった」の意味。
「cop」は「警察」などの意味。
「nah」は「no」のくだけた言い方で「Hell nah」で
「絶対に無理」や「絶対に嫌」などの意味になります。
「fit in」は「馴染む」などの意味。)
Wild ones, like we fresh out the cage
Showtime, baby, fresh off the stage (Yeah)
Bad lil’ mama, fresh off the page (Yeah, yeah)
Front like you love
But you know that you hate it (Yeah, you hate it)
Yeah, you know no better
(「Wild ones」は「荒くれ物」や「自由な人たち」などの意味。
「fresh out」と「fresh off」はどちらも「直後」を意味しますが
「fresh out」は「たった今終えた」など新鮮さの意味合いがあり、
「fresh off」は「~から降りたばかり」や
「~からやって来たばかり」など物理的な移動を意味します。
「fresh off the page」は「本/記事から飛び出してきたような」
や「出来立てほやほや」を意味する慣用句。
「Bad/悪い」は「凄く格好良い」や「堪らない」
などを意味するスラングでもあります。
「lil’」は「little/小さい」の省略形。
「lil’ mama」は「セクシーな女の子」や
「可愛子ちゃん」などを意味するスラング。
「Front/前面」は「page」など書籍に付くと
「表紙」の意味にもなります。
「know no better」は「それ以上何も知らない」などの意味。)
<カミラ・パート>
Yeah, you know no better
Say you different, who you kidding?
Yeah, you know no better
Ooh, save that talk for the ones
Who don’t know no better
‘Cause, baby, I know you better
Baby, I know you better
Baby, I know you better
(「who you kidding?」は「本気で言ってるの?」
「冗談でしょ?」などの意味ですが、
同じ意味の「are you kidding?」が相手に投げかけるのに対し
「who you kidding?」は独り言としても使われます。
「for the ones」は特定の「人/ものたちのために」ですが
この歌詞の場合は「that talk/その話」が好きな人、
必要としている「人たちのために」の意味になります。
「I know you better/私はあなたのことをより知っている」は
他の人たちより「もっとよく知っている」の意味。)
<トラヴィス&カミラ・パート>
Baby, I know you better
Straight up
Baby, I know you better
Baby, I know, I know no better
(「Straight up/真っ直ぐに」は
「本当に」や「マジで」などのスラングでもあります。)
<トラヴィス・パート>
Top dropped off on my whip
Whippin’ that, whippin’ that, whippin’ that
Yellow and that purple on mix
Mixin’ that, mixin’ that, mixin’ that (Yeah)
(「dropped off」は「車から降ろした」の意味で
車に関連すると「Top/頂上」は屋根/ルーフを指します。
「my whip/私の鞭」はスラングで「イカした車」の意味。
馬を鞭打ち走らせる「馬車」が
昔は高級品だったことからきているそうです。
なので「Whipping/鞭打ち」は
「車を走らせる」のスラングにもなります。)
Copped my bitch from the tropics (Yeah)
You know where she sittin’ at
Takin’ shots, pourin’ bottle after bottle after bottle
Hell no, we ain’t sippin’ that (Yeah)
(「Copped」は「捕まえた」の意味になりますが
「逮捕」などの意味合いです。
他にも「得た」などの意味もあるので
この歌詞では女性を軽視していることが分かります。
「sip」は「吸う」や「一口ずつ飲む」などの意味。
トラヴィスのパートでは無理に悪ぶってみても
結局馴染めない様子が描かれていると解釈しています。)
<クエヴォ・パート>
Droptop on the whip
Dab of ranch on the chips
Ice cream gave her chills
Too much cash, pay the pills
(「Dab of ranch on the chips」は訳すのが難しいんですが
「Dab/軽く塗る、軽く叩く」は
「少量の調味料」を意味するスラングでもあります。
また「Dab of ranch/ランチのドレッシングを少量」には
「ダイヤで装飾する」のスラングもあるそうです。
ただ「Dab」には「マリファナを抽出する方法」を意味する
スラングがあるそうで、その後の歌詞に
「覚せい剤」のスラングである「Ice cream」が続くことから
後者の意味で訳しました。)
I make her ride Mercedes (Skrre, skrrt)
I can afford the latest
Baby, ignore the ratings (Ignore ‘em)
Just pull up, we pop out, we ragin’
(「afford」は「余裕がある」の意味。
「ignore」は「無視する」などの意味。
「ratings」は「評判」などの意味。
「’em」は「them/彼ら」の略。
「Pull up」は「車を止める」の意味にもなります。
「raging」は「荒れ狂う」や「激怒する」などの意味ですが
転じて「大騒ぎする」の意味にもなります。)
We know no better
Stack my bread up
Don’t get fed up (Nope), ain’t gon’ let up (Yeah)
You told me to shut up, but I’ma do better (Huh?)
(「bread/パン」には「お金」を意味するスラングがあり
「Stack my bread up/私のパンを積み上げる」は
「お金を積み上げる」「大金を稼ぐ」の意味になります。
「fed up」は「飽きた」や「うんざり」などの意味。
「Nope」は「No」のカジュアルな言い方。
「gon’」は「going to/~するつもり」の省略形。
「let up」は「弱まる」や「和らぐ」などの意味で
スラングで「手加減する」「勢いを緩める」の意味もあります。
「I’ma」は「I’m going to/私は~するつもり」の省略形。
「do better」は「もっと向上する」や「もっと上手くする」などの意味。
「Huh?」は「何?」や「え?」などの意味する間投詞。)
It’s not my race
Get out my face
Drop my case (Drop it)
Which way? (Where?), that way (Hey)
(「case」は「場合」や「入れ物」の意味ですが
「Drop case」で「訴え取り下げる」の意味にもなります。
「Drop my case」で自分が起こした「訴えを取り下げる」の意味。
「Drop it」は「落とす」の意味ですが
「その話題はもうやめよう」やなどの意味でも使われます。)
<トラヴィス・カミラ・パート>
Maybe I know you better
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歌詞の意図は書いた本人しか分からないものですが、色々と考えるのも楽しいです。曲調も良く何度も聴いていられる一曲です。

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