1985年にアメリカを中心とした大物歌手たちが集まって発売された、アフリカの貧困層救済のために作られたチャリティーソングです。
前年にイギリスで発売されたバンド・エイドによるエチオピアの飢餓救済ソングに触発された、歌手ハリー・ベラフォンテの発案を基に、大物芸能プロデューサーのケン・クレイガンが歌手たちに声をかけ、大物たちが一同に集まりました。
作詞作曲はマイケル・ジャクソンとライオネル・リッチー、プロデュースはクインシー・ジョーンズという、この三名だけでも物凄い豪華っぷりです。
総勢45名が参加していますが、ソロパートのある方だけ明記させていただきます。
その為、いつもは割愛していますが、繰り返すパートも歌唱する人が異なるため訳してあります。
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【ライオネル・リッチー】
There comes a time
When we heed a certain call
【ライオネル・リッチー & スティービー・ワンダー】
When the world must come together as one
【スティービー・ワンダー】
There are people dying
【ポール・サイモン】
Oh, and it’s time to lend a hand to life
【ポール・サイモン & ケニー・ロジャース】
The greatest gift of all
(「heed」は「聞き入れる」の意味。
「certain」は「確信ある」の意味。
「certain call」は「確信のある呼びかけ」つまり
何か特定の意図をもった「呼びかけ」の意味です。
「lend」は「貸す」や「役立つ」「貢献する」などの意味。
「~ of all」は「あらゆる~の」や「全ての中の」の意味。)
【ケニー・ロジャース】
We can’t go on
Pretending day by day
【ジェームス・イングラム】
That someone, somewhere will soon make a change
【ティナ・ターナー】
We are all a part of God’s great big family
【ビリー・ジョエル】
And the truth, you know, love is all we need
(「go on」は「~を続ける」や「~し続ける」の意味。
「Pretending」は「振りをする」の意味。
「day by day」は「一日一日」や「日増しに」などの意味。
「a part」は「一部」の意味。)
【マイケル・ジャクソン】
We are the world
We are the children
We are the ones who make a brighter day, so let’s start giving
【ダイアナ・ロス】
There’s a choice we’re making
We’re saving our own lives
【マイケル・ジャクソン & ダイアナ・ロス】
It’s true we’ll make a better day, just you and me
(「We are the world/私たちは世界」ですが、
歌詞の内容から共通認識の「the」を「一つの」と訳しました。
同じように「We are the children/私たちは子供たち」ですが
「the/唯一の」がつきます。誰もが唯一の存在ですが、
「child/子供」ではなく「children/子供たち」です。
誰にとって「唯一の子供たち」なのかと考えた時、
「神」であり「世界」にとってかな、と思ったので
「私たちとは(神や世界にとっての)子供たち」と訳しました。
「the one who ~」は「~する人」の意味。
「choice making」は「意思決定」の意味。
「choice we’re making」は「私たちが下している選択」の意味。)
【ディオンヌ・ワーウィック】
Well, send them your heart
So they know that someone cares
【ディオンヌ・ワーウィック & ウイリー・ネルソン】
And their lives will be stronger and free
【ウイリー・ネルソン】
As God has shown us by turning stone to bread
【アル・ジャロウ】
And so we all must lend a helping hand
(「heart」は「心」や「内なる気持ち」ですが
自然な歌詞になるよう「真心」と訳しました。
「stronger」は「より強く」の意味。
「by」は「~によって」の意味。
「turning」は「回転」の意味ですが「変化」
変化して「~になる」の意味もあります。)
【ブルース・スプリングスティーン】
We are the world
We are the children
【ケニー・ロギンス】
We are the ones who make a brighter day, so let’s start giving
【スティーヴ・ペリー】
Oh, there’s a choice we’re making
We’re saving our own lives
【ダリル・ホール】
It’s true we’ll make a better day, just you and me
(余談ですが、サビのメロディを作ったのはマイケルです。
マイケルはまず妹のジャネットにメロディを聴かせたそうです。
それなのに、お姉さんのラトーヤさんは参加していますが
妹のジャネットさんは参加していません。
これはマイケルが声をかけ忘れたからです。
マイケルは後々になってもそのことを後悔していたそうです。
ちなみに2010年にハイチ地震の被災者支援の為にリメイクされた際
ジャネットはダイアナ・ロスのパートを担当し
マイケルと時を越えて共演するという粋な計らいがありました。)
【マイケル・ジャクソン】
When you’re down and out, and there seems no hope at all
【ヒューイ・ルイス】
But if you just believe, there’s no way we can fall
【シンディ・ローパー】
Well, well, well, well, let us realize
Oh, that a change can only come
【キム・カーンズ】
When we stand together as one
(「down and out」は「打ちのめされて」や「どん底で」などの意味。
「no way」は「ありえない」の意味。
「together as one」は「一つになって」や「一致団結」の意味。
余談ですが、ヒューイ・ルイスのパートは
本当はプリンスが歌う予定だったそうです。
プリンスは主催者側と確執があり参加を断ったと言われています。
ただ、企画自体に対しては好意的で
ライオネルにギターでの参加を打診しましたが断られたそうです。)
【ボブ・ディラン】
There’s a choice we’re making
We’re saving our own lives
It’s true we’ll make a better day, just you and me
(余談ですが、ボブ・ディランのパートはメロディに乗っていません。
これはボブが曲を覚えていなかった上、
渡された楽譜が読めなかったからだそうです。
多くの大物歌手を待たせる訳にはいかないと
辞退も仄めかしたそうですが、
そこで助けを求めた相手がスティービー・ワンダー。
スティービーは何と正規のメロディではなく
独自の「ボブっぽい歌い方」を教えたそうです。
いざ歌ってみると、とても味があると一発OK。
大物と大物の掛け合いが大成功を引き起こした瞬間ですね。)
【レイ・チャールズ】
We are the world
We are the children
So let’s start giving
There’s a choice we’re making
We’re saving our own lives
It’s true we’ll make a better day, just you and me
(余談ですが、スティービー・ワンダーは収録スタジオの歌手たちに
「1テイクで終わらなかったら僕とレイが運転する車で送ってあげる」
と言ったそうです。ご存じの通り、お二人共盲目です。
なんというブラック・ジョーク。笑)
【スティービー・ワンダー & ブルース・スプリングスティーン】
We are the world
We are the children
We are the ones who make a brighter day, so let’s start giving
There’s a choice we’re making
We’re saving our own lives
It’s true we’ll make a better day, just you and me
(余談ですが、全員でコーラスを歌う際、
ビリー・ジョエルとブルース・スプリングスティーンは
スタジオの隅にあるコーラとサンドイッチを
一緒に取りに行くという悪ふざけを繰り返していたそうです。
仲が良いですね。)
【ジェームス・イングラム】
We are the world
We are the children
We are the ones who make a brighter day, so let’s start giving
【レイ・チャールズ】
There’s a choice we’re making
We’re saving our own lives
It’s true we’ll make a better day, just you and me
Alright, let me hear you
(ジェームス・イングラムはレイ・チャールズのバンドで
キーボードを担当されていた歌手です。
最後のこの掛け合いで、胸が熱くなった方もいらっしゃるでしょう。)
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惜しまれながら星になられた方々も居られますが、今でも現役の方たちが時々この曲の思い出を語ってくれます。そういう映像や記事を見ると、より一層この曲が好きになります。
これ以上に豪華な歌手が一同に集まって歌う曲は、今後作りようがないとすら言われています。間違いなく名曲です。
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