1971年にアメリカの兄妹デュオ、カーペンターズが発表して大ヒットしたカバー曲です。
学生時代から体重管理に励んでいたボーカルのカレンは、この数年後に拒食症を発症します。1971年はカーペンターズの人気が定着し始めた多忙な時期だったそうです。それでもカレンは完璧な表現力と歌唱力で歌い上げ、曲の世界観を掘り下げたと高く評価されています。
原曲はアメリカの夫婦デュオ、デラニー&ボニーが1969年に発表した「Groupie (Superstar)」です。歌詞が少し異なります。
デラニー&ボニーが発表した当時のタイトル「Groupie/グルーピー」とは、「親密な関係を望む追っかけ」の意味。集団で追いかけ回していたことから付けられたそうです。日本で言うと、「追っかけに力を入れる」という意味から「オリキ」という言葉がありますが、それよりも「私生活まで追いかけ回す悪質な追っかけ」を意味する「ヤラカシ」という言葉の方が近いかもしれません。
もちろんそういう人に手を出すスターも居て、デラニー&ボニーの歌詞はそんなグルーピー側の心情を歌っていると解釈しました。
対してカーペンターズ側の歌詞は、「好きだった相手がスターになった」という内容だと解釈しました。こちらの方が好きなので、カーペンターズの歌詞を訳します。
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Long ago, and, so far away
I fell in love with you before the second show
Your guitar, it sounds so sweet and clear
But you’re not really here, it’s just a radio
(「far away/ずっと遠く」は
「今、自分が居る場所から」の意味があり
同じ意味の「faraway」は
もっと漠然とした「ずっと遠く」を指します。
また、「far away」は形容詞と副詞でも使えますが
「faraway」は形容詞限定です。)
Don’t you remember, you told me you loved me, baby?
You said you’d be coming back this way again, baby
Baby, baby, baby, baby, oh baby
I love you, I really do
(「this way」は「こっち」や「こちら」の意味。
案内する時などにも使われます。
また「このやり方」の意味もあります。
「I really do」は「本当にそうだ」と強調する意味ですが
結婚式の「誓います」の意味でも使われます。)
Loneliness is such a sad affair
And I can hardly wait to be with you again
What to say to make you come again?
Come back to me again and play your sad guitar
(「affair」は「事柄」や「出来事」の意味。
文脈によっては「不倫」や「浮気」の意味にもなります。
「I can hardly wait」で「待ちきれない」や
「待ち遠しい」などの意味。)
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カーペンターズが歌った歌詞からは、売れない時代に出会った相手がスターとなり、自分とは別の世界に行ってしまった悲恋が歌われていると解釈しました。
多くの歌手からカバーされているこの曲ですが、カーペンターズの歌詞でカバーされることが多いです。
歌詞の一部を書き直した兄リチャードの解釈の仕方、そして妹カレンの歌声が本当に素晴らしい名曲です。
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